住友商事の企業研究

住友商事は「金属事業」の領域、中でも石油や天然ガスのパイプラインなどに使われる鋼管領域が強い。

もう一つの目を引く優位性としては「メディア・デジタル事業」で、５大商社のうち唯一「メディア」という名前の付く事業領域を抱えている。

JCOM、ジュピターチャンネルなどのケーブルTV、およびSCSKというDXに強いシステム企業を傘下に抱える。

非常に平易で分かりやすいビジョンと言える。

住友商事グループの経営理念・行動指針の原点は、住友家初代の住友政友（1585－1652）が商売上の心得を簡潔に説いた「文殊院旨意書（もんじゅいんしいがき）」だそうだ。

これは主に「営業の要諦」として語り継がれているそうである。

まず第一に、何よりも関係する人々との間の信用を重んじるということ。

その上で、社会の変化に素早く的確に対応しながら利潤を追求し、常に事業の刷新を図るという進取の精神を示し、その上で、目先の利益を追うような軽率･粗略な行動を戒めている。

21年3月期は資源・化学品領域が純利益を牽引。

20年3月期は市況価格変化やマダガスカルのニッケル事業操業停⽌などの影響で▲595億の減益だったが、オーストラリアの⽯炭事業、鉄鉱⽯事業、銅・⾦事業の市況価格上昇に伴い、3,068億の増益。

23年3月期にかけて英ボーダフォンと共同し携帯通信事業を開始するなど、メディア・デジタル領域への投資を加速させていく目論見。

また輸送機・建機関連もコロナ禍からの市場回復、ウクライナ情勢の一過性損失（航空機リース事業）から立ち直りつつあり、リース事業中心に増益の兆しが出始めている。

五大商社の中では圧倒的に残業時間が短い。

21年3月期より若干採用人数は減らしている傾向のようだ。

応募要件に「当社役員・社員・嘱託社員（再雇用嘱託社員含む）の子女、兄弟姉妹、配偶者ではない方。」を掲げているのは、フラットに多様で優秀な人材を取り込みたいという意欲の表れに見える（2024年度応募資格より）。

初任給は総合職25.5～29万と一般相場よりやや高め。