サントリーホールディングスの企業研究
この記事では、サントリーホールディングス株式会社の企業研究についてまとめます。
(2023年2月時点の情報に基づいています)
10秒でわかるサントリーホールディングスのまとめ
1899年に創業し「サントリーウイスキー角瓶」、「サントリー天然水」、「BOSS」、「伊右衛門」などの酒類・飲料ほか、「プロント」「まい泉」など外食サービスなど幅広く事業を展開。
70を超える国・地域で展開し、海外営業利益が約65%を占めるグローバル企業。
直近の純利益は1,140億円。従業員一人当たり純利益は283万円。(21年12月期)
会社概要
会社名 | サントリーホールディングス株式会社 |
URL | https://www.suntory.co.jp/ |
本社 | 大阪府大阪市北区堂島浜2-1-40 |
資本金 | 700億円 |
従業員数 | 40,275名 |
事業概要 | 酒類・飲料・健康食品から、花・スポーツ・サービス・外食など幅広い事業を展開 |
1899年に創業し、ぶどう酒の製造販売を手掛ける。
1937年には「サントリーウイスキー角瓶」、1963年には「サントリービール」を発売するなど、長らく酒類を中心とした事業を展開。
食品事業は1972年スタートだが、今日では酒類と並ぶ主要事業に成長している。
さらには、飲食を起点に、「プロント」や「まい泉」など外食サービス・惣菜製造販売サービスや、「自然」「生活文化」をテーマにした事業展開として花・青果事業などにも展開。
現在は70を超える国・地域で展開し、海外営業利益がおよそ65%を占めるグローバル企業となっている。
理念・ビジョン
水と生きる
サントリーホールディングス HP「グループ企業理念」より
コーポレートメッセージの根幹に掲げられている「約束」と称されるこの言葉には、3つの含意がある。
まず、もともと酒類の製造販売に企業のルーツがあるというところからであろう、水や自然の恵みを大事に育み、次世代につなげていくということ。
次に、あらゆる生命の渇きを癒し潤いを与えるように、人々の豊かな生活文化の創造に貢献していくこと。
そして、水のように柔軟に、常に新しいテーマに挑戦し、新たな価値を創造する企業であること。
「使命」と表現される「人と自然と響きあう」、「志」と表現される「Growing for Good」は、この「約束」を果たすために自らに課したコーポレートビジョンと言えるだろう。
やってみなはれ
サントリーホールディングス HP「グループ企業理念」より
創業者の鳥井信治郎がことあるごとに口にした言葉が『やってみなはれ』である。
常に強烈で果敢なチャレンジ精神をもって、誰もやらなかったことに挑むこと。
常識を疑い視点を変え、考えぬいて、ひたむきに行動すること。
失敗や反対を恐れず、ひたすら挑戦しつづけること。
こうした価値観が事業の原動力となっている。
実際、2015年には「有言実行やってみなはれ大賞」というものを創設し、自ら旗を掲げ、従来のやり方にとらわれないまったく新しい発想に基づくチャレンジングな活動によって「やってみなはれ」を実践したチームを表彰する制度を設けている。
業績
売上・純利益(株主帰属)の推移
直近の純利益(株主帰属)
1,140億円
2021年12月期
従業員一人当たり純利益
283万円
2021年12月期
連結従業員数40,275名で除算
営業利益の構成(2021年12月期)
営業利益から全社コスト、法人税等を差し引いたものが概ね純利益となるため、セグメントごとの業績は公開されている営業利益構成から推し量ることにする。
20年12月期はコロナ禍の影響でオフィス等の自動販売機の売上が減、また世界的な飲食店の営業自粛の影響で種類の売上も落ち込み、厳しい状態に追い込まれていた。
21年12月期は「サントリー天然水」や「BOSS」「伊右衛門」などのコアブランドに対して、新商品発売やマーケティング活動の強化に投資し、コロナ前の売上・営業利益水準に戻りつつある。
また酒類に関しても、ウイスキー等のスピリッツ類は家庭用の堅調な需要とプレミアム化戦略に支えられて復調、こちらもコロナ前の売上・営業利益水準に戻りつつある。
一方で、国内ビール領域はいまだ業務用発注が元に戻っておらず、前年比で減収しており苦戦。
2022年度もコアブランド訴求・スピリッツ類のプレミアムブランド戦略でコロナ禍からの需要回復局面を着実に捉えていく一方で、ビール類は新ブランドの商品開発・ブランド訴求の強化などを注力していく想定のようだ。
バランスシート(2021年12月時点)
自己資本比率
43.5%
調達資金のうち、純資産、すなわち金融機関等に返す必要のないお金の割合
流動比率
125.1%
1年以内に発生する支払い義務が生じる負債に対して、すぐに現金化できる資金を持っている割合。一般に100%以上が適正、200%以上は安全
総売上回転率
0.52回
売上に対する総資本の割合。多すぎない元手で適切な売上を得られているかを示す。業種に寄るが、一般に1~1.5回以上が効率的な経営の目安
主要な働きかたの指標(2021年度)
入社後3年定着率
96.4%
平均勤続年数
18.6年
有給休暇平均取得
-
月平均残業時間
18.7時間
長時間労働の抑制や年次有給休暇取得促進(原則として全員16日以上)を通じて、総労働時間1,899時間以内を目標として定めている。
実際、コーポレートサイトに公開されている情報を見ると、2017年から比較すると徐々に労働時間は減り、有給休暇取得日数も徐々に増えてきているように見える。
新卒採用の動向
直近の採用人数
2022年度 | 114名 | |
2021年度 | 115名 | |
2020年度 | 117名 |
サントリーホールディングス株式会社・サントリー食品インターナショナル株式会社の2社で合同採用を行っている。
コロナ禍にもかかわらず、採用人数は大きく変化はしていない。
採用のセグメントとしては、マーケティング・営業を中心とした「ビジネス部門」、基礎研究などの「生産研究部門」が大半を占め、財務・経理などの「財経部門」は若干名の採用。
また直近ではDX化やデジタルマーケティングを主とした「デジタル&テクノロジー部門」も増員し始めているようだ。